虫食い野菜が無農薬とは限らない。農薬はそんなに効きません。農薬は野菜の予防接種です。

私は兼業農家で、野菜を出荷しています。

私は、農薬を使用して栽培しています。
もちろん規定使用倍率、使用量、使用回数を厳守しています。


農薬以外にも、竹酢液や粘着くん(でんぷん糊)も必要に応じて使い分けています。

○農薬は野菜の薬

世間では農薬を嫌う人も多いです。
虫も食べない野菜を人が食べられる訳が無い!とおっしゃります。

しかし、そんな人も病気や怪我をした時は病院へ行き、薬を点滴したり、抗生物質などを飲みます。

野菜も同じで、虫や病気から守ってやらないと元気を保てません。
最悪の場合、枯れて(死んで)しまいます。
枯れるまで行かなくとも、しおれたり元気がなくなります。

○農薬散布しても穴が開く

「葉に穴が開いているから安全」と言うのは間違っています。
農薬は全て対象の虫・病気が決まっています。

野菜に虫が発生したからと、その虫を対象としていない殺虫剤を規定以上の濃度、量を散布しても虫には効果がありません。
何食わぬ顔でムシャムシャ野菜を食べ続けます。

タイミングも重要です。
葉に穴が開いてから、殺虫剤を散布して虫を撃退しても開いた穴はふさがりません。

また、適切な薬剤を適切なタイミングで散布しても、虫は全滅しません。
一部分の野菜は、食べられ続けます。


○穴あき野菜の方が、農薬が多い!?

虫が葉に穴を開けるのを見つけると、通常より多く農薬散布を行ないます。
もちろん規定内ですが、普段は規定の半分の量を散布していても、穴を見つけると規定限度まで散布します。

ですから、穴が開いた野菜は殺虫剤の種類・タイミングの誤りで、実は綺麗な野菜より農薬の使用量は多い事も多々あります。

消毒の直後でも穴が開いた物もあります。




○残留

農薬は、残留すると言われることもあります。

私の出荷先は市場ですが、市場でもその先の小売店(スーパー)でも自主的に残留農薬の検査をしています。

規定を超えると、返品・出荷停止処分です。
出荷停止は死活問題ですので、農家は農薬の使用に細心の注意を払っています。

もちろん残留規定量内でも残留と言えば、残留なのですがその量では虫も死にません。
農薬には種類ごとに「散布後○○日は収穫してはいけない」と日数が定められています。
農薬は散布後日光等で自然分解を始めますので、定められた「○○日」で安全な濃度になるということです。

ちなみに私は春~秋(虫が多い)は1週間に1度農薬散布をしています。
野菜が大きくなり出荷が始まると、前述の期日の関係で農薬が使用できません。

その結果、最終消毒から7日後だと、
虫(名前は分かりません(涙))


ほうれん草タネバエ いっぱい(涙)


虫の卵 気持ち悪い(涙)


最終消毒から14日後
集まってくる虫を食べるために、クモが巣を作ります。


穴だらけです、もっと残留してください(号泣)


農薬を定期的に使用していても、こんな状態です。

出荷の際は、穴が開いたものや、虫つきは全て廃棄処分していますので、スーパーに並ぶものは綺麗なものばかりとなります。


スポンサーリンク





スポンサーリンク



0 件のコメント :

コメントを投稿