テレビを見ていると農業ロケの時に、出演者がよく言います。
良い土って、何でしょうか?
何を基準に、判断しているのでしょうか?
○土質
まずは①
そして②
①も②も私のハウスの土です。
両方とも、1作野菜を栽培・収穫した後、トラクターで1度耕した状態の写真です。
①の土は1度耕すと、サラサラになります。大きな塊は一切ありません。
②の土は1度の耕起では、固まりだらけです。
うずら卵ほどの塊が、ごろごろしています。
何が違うのでしょうか?
①は、大きな川の横に有ります。
土を掘ってみると、底は砂です。
②は山奥にあります。底は粘土です。
①は砂が多い土、②は粘土が多い土です。
○性質
では、肥料成分が多い土は?・・・②です。
私は毎年、肥料の施肥量を知るために、土の成分分析を行なっています。
その結果、②は①の半分の肥料で、①と同じ肥料成分を保持しています。
①は砂が多いので、水とともに肥料成分が流出してしまいます。
肥料が多そうで「良い土ですね~」なら②です。
作りやすさという点では①が勝ります。
野菜にとって水は必要不可欠ですが、必要以上に土が濡れていると、根が酸欠状態になって腐ります。
野菜の水は、人にとっての塩や砂糖のようなもので、必要ですが取りすぎると病気や死に至ります。
①の土に水を大量にやっても、直ぐに乾きますので、水やりで失敗することはありません。②の土は少し多めに水やりして、その後雨が続いたら野菜は枯れてしまいます。
野菜が作りやすそうで「良い土ですね~」なら①です。
○失敗しないのは
園芸の手引書などには堆肥をやり、土を柔らかくしましょうと書かれています。
私は6年間で、②のハウス5.5m×25mに1,800kg。
1㎡に13kgの堆肥を撒きましたが、土の質は変わりません。
土の性質を変えるのは、大変です。
家庭菜園などを借りるときは、こまめな水やりと、肥料を少し多めにやる必要はありますが、①の様な砂が多いサラサラの土の方を選ぶと栽培が簡単です。
○柔らかい土?
別の話になりますが、「かかとまで埋まる柔らかい、良い土ですね~」とほめているのは間違いです。
この写真は①のハウスの収穫直後です。
片足立ちしても、埋まりません。
1度トラクターで耕すと、こうなります。
見事にかかとまで埋まっています。
トラクターの耕す深さ調整を深くすれば、この倍ほど深くまで柔らかくなります。
これは①・②どちらの土質でも同じです。
「柔らかい土ですね~」は耕した後なら、どんな土でも同じですので、ほめ言葉にはなりません。
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