我が家には毎年、避けては通れない「絶対に負けられない戦い」の日が、やって来るのだ。
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○直前
今年もその日が、やって来た。
・・・なのに私は仕事が休めず、暗くなってから自宅に帰宅。
「遅くなってしまったが、まだ間に合う」自分に言い聞かせながら、玄関に急ぐ。
玄関周辺には、ブービートラップが仕掛けてある。
この作業は熟練を要するため、我が家では代々、年長者の仕事だ。
祖母が亡くなり、今は親父がトラップ担当である。
トラップの種類は、奴らを貫く槍(注1)と、催涙弾(注2)である。
私自身がトラップの餌食にならぬよう、注意深く我が家に入る。
しばらくすると、武器を調達しに行った妻が帰ってきた。
息を切らしている・・・
「どうした?」
「玄関に入ろうとしたら、何かが走って逃げて行ったの。それに驚いて・・・」
「!」
私は、玄関に走る。
・・・やられた!催涙弾が無い。
ぬかるみに足跡が残っている。
虎(注3)だ!奴らは虎を手なずけている。
さらに、やばい事態が発生した。
妻が武器の調達に失敗したとの事だ!
奴らにはショットガン(注4)が有効なのだが、手に入らなかったと言うのだ。
なんてことだ、代わりに調達した弾丸(注5)は、奴らに効くのだろうか?
催涙弾が無く、ショットガンもないことは、非常に痛手だが、過ぎたことは仕方が無い。
奴らとの戦いは、目前に迫っているのだ。
まずは、長期戦に備えて腹ごしらえだ。
家族全員、緊張からか決意の表れか、一言も喋らずもくもくと食べている(注6)。
毎回では有るが、静かな食卓である。
○戦い
その時だ!!!
奴らの気配がする!
まず次男が武器を手に、先陣を切った。
次に長男。
シンガリに私が並ぶ隊列を組んだ。
危険なので、妻は少しはなれてついてくる。
長男も、次男も勇敢に戦えるようになった。
二人とも前後左右の敵を蹴散らしながら、ドンドン進んでいく。
ショットガンではないが、奴らに十分効いているようだ。
○被害
「痛い!」
まずい、次男の目に流れ弾が当たった!
直ぐに怪我の状態を確認する・・・良かった、かすり傷だ。失明は逃れた。
ふと気付くと、妻がいない。
まさか・・・あわてて戦場を駆け戻る。
なんてことだ!
妻は恐怖のストレスに負けたのか、落ちている弾丸を食べているではないか!
「オイッ!しっかりしろ。」
「ハッ!・・・ごめんなさい」
早く気づけたおかげで、何とか妻は助かった。
あれを食べ続けたら、大変なことになるところだ。
しばらくして、奴らの気配は消えた・・・
こちらの被害は最小限で、奴らを撃退することができた。
今年も無事、撃退する事ができた。
だが、よろこんでばかりもいられない。
来年もやってくるのだ・・・2月3日は・・・
以上、我が家の節分でした。ご清聴ありがとうございましたw
(注1)

(注2)

(注3)

(注4)

(注5)

(注6)

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